第146回『まちむら興し塾』 2017年8月19日
    テーマ 
     
ホテルとは? ホテル業界の現状
・未来
        コメンテーター
      日本ビューホテル株式会社 国内営業課 市川 大揮 さん
    『まちむら興し塾』当日風景・参加者写真
  
浅草ビューホテル
  
伊良湖ビューホテル
  1.ホテルとは


    自然、歴史、伝統に囲まれた、環境、立地を活用して、ご利用頂けるお客様の層

   に合わせて、充実した建物・施設を作り、お客様にご満足頂けるよう、サービス体

   制を整えて、お客様へ非日常の、きらびやか、洗練、快適な空間の中で、宿泊、飲

   食、会議・展示会・イベント、エステ、ジム健康、結婚式、等々とともに、心から

   のおもてなしを提供して、お客様が心身ともにリフレッシュされ、くつろぎ、、癒

   され、味わって頂けるための施設。


 2.一番大切なもの おもてなしをする心遣い = ホスピタリティ

   おもてなしが究極に求めることは、お客様の立場に立って、お客様が何を求められ
   ているかをいち早く予測察知して、思い遣り・気配りをするみとで、お客様が癒さ
   れ、お喜びなり、楽しくなり、ご満足いただけることす。

    サービスは対価を求めているに対して、ホスピタリティは目先の報酬を求めての行
   動ではなく、おもてなし・心遣いに重きをおいた行動です。

   報酬は結果としてついてくるということです。
     例:チップは一つのサービスに対する満足度に比例しています。

   ホスピタリティ(Hospitality)の語源

     ラテン語のHospicsが(修道院が運営する宿泊所、休息所=巡礼者や貧しい人
     のための施設)語源で、それが英語のHospital(病院)、Hospice(ホスピス
     末期症状患者のためのケア・施設)と色々な言葉に発展したのです。

     Hotelの語源にもなっています。
  3.ホテルの主な業務


    1)サービス
      ホールスタッフ、フロント、ウェイター、客室係、美・理容、インストラクター
      コンシェルジュ、コーディネーター、支配人

    2)営業・販売促進(営業、販売促進)
      営業では法人や団体、旅行代理店等に向けて、ホテルの宿泊、レストラン、
      宴会、会議、結婚式、他施設などのプラン・サービスの営業・提案

    3)商品開発・マーケティング・宣伝

      ① 市場調査やマーケティング

      ② ホテル施設・設備を活用、宿泊・宴会・ブライダルプランなどの企画
        ・立案・実行

      ③ 販売促進
        ◇ 宣伝・PR・広報
        ◇ ホームページ、広告、他、INS活用

    4)経営戦略  

    5)事務
      総務・経理・人事(正社員・派遣社員管理・手配)・購買(仕入)・監査

    6)調理

    7)機械・建物設備管理・補修

    8)客室・宴会場・レストラン、清掃・リネン・メンテナンス

   
 客室 宴会場 
   
 トップラウンジ 
   
 宴会場  会員制プール
   
 結婚式着付け  ビッフェ 準備
 出展:浅草ビューホテルホームページより
 
お客様に「感動」を呼び起こす接客
    「感動」と「サービスの基本 4S+1C」」
   《 おもてなし(サービス・接遇) 》の原点は何かを考え、お客様とのふれあいの
   中から、『お客様の「感動」を呼び起こす接客』に結びつけられる、ホスピタリ
   ティとは何か。
 『感動とは』

 自分が求めていたもの

 が実現できた 

 に到達できた            

 以上の結果が出せた

  自分が想像すらしていなかったこと

 が起きた

 に出会った

 を見た

 を体験した

  人の温もり・心遣い・ひたむきな気持ちに触れた 
  誠心誠意のおもてなしを受けた 
   お客様が「感動する」、「感動できる」かはお客様の価値観、過去の経験によ
  って違いはあります。
    しかしながら、未熟な新入社員でも、未熟なりに、心から感謝の気持ちを込めて、
  「お客様にお楽しみ、お喜び頂き、ご満足頂き、またのご利用を頂くのだ」という、
   強い信念でおもてなしを心掛ければ、結果として、必ずお客様が感動されるのは間
   違いありません。
   お客様が感動されるおもてなしができることが一流のホテルマンの誇りですが、自分
  は一流のホテルマンだと錯覚して、お客様の身なり、ふるまいだけでお客様のグレード
  を判断し、気持ちを込めず、無表情な態度、言葉遣いで、「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」
  に、自覚に欠けた接客をしているホテルマンが見受けられます。・・・何様の積もり!
 
  ◆ 接客用語の基本中基本の言葉が   『お客様』  です。
      お客・お客さん ではありません。
     接客する人が、お客様に、来館されて大変ありがとうございますと心から感
     謝の気持ちが備わっいれば、自然と「お客様」と言えるのです。

      接客に当たって、感謝する気持ちが薄い人に限って、単なる来店者かという
     意識しか無く、ぞんざいに、対等の立場のように、お客・おきゃくさんと言い
     がちです。

     「マニユアルに書いてある」「言えと言われている」からと口先だけで言う
     「お客様」も、お客さん・お客と言葉と同じ響きにしか聞こえず、お客様に
     感謝の気持ちは伝わりません。

     心を込めて、明るい態度で、笑顔で言う、「お客様」こそが、お客様が歓迎
    さているなと感じて頂ける、言葉になれるのです。。


       つい、口癖でお客さんと言ってしまう人は、自問しながら「お客様」「お客様」
    と何度でも挑戦していく内に、実感として「お客様は大切なのだ」自覚が、生ま
    れ、必ず、自然と「お客様」と言えるようになるのは間違いありません。

     また、周辺の人たちも、誰かが「お客さん」と言ったのを聞いたなら、叱るので
    は無く、○○さん「お客様ですよ」と注意し合うことで、職場のコミュニケーショ
    ンも良くなり、全体のサービス向上にもなります。
    是非、挑戦してください。
     ◇ しかしながら総てのお客様が「神様」ではありません。

     お金を払うのだから、何をやっても、言っても良いと、一定のマナーをわきまえ
    言動をとる方はお客様ではありません。

     そのような方には毅然とした態度で臨み、勇気を持ってご利用をお断りするくら
    いの誇りをもっておもてなしをしましょう。

 
  1.接客基本要素4S+C
        お客様をおもてなしするにあたって、注意・心がけること。
  ★ Smile              笑顔
 
    笑顔
を見ると、誰でも自然と笑顔 になります。 
 

今の、自分の心は顔にストレートに表れます。 
自分の心が自然と
笑顔に表れる。

 そのためには、心身ともにリフレッシュして、
快適に、充実した生活を過ごし、常に
笑顔で接客
できるよう心掛けが必要です。 

  いざ、接客の場に出る前には、鏡に向かって
「笑顔」を作り、気持ちを入れ直して「笑顔」
 確認してから、笑顔のまま「お客様と接客」です。

 
     「笑顔」に落ちない人はいない!
    「
笑顔」の人と出会うと、自然と心がなごみ、相手も「笑顔」になれます。

    お客様が「笑顔」になられれば、自分も「笑顔」になれる

   ⇒ また会いたくなる「笑顔」
     見ている人を幸せな気分にしてくれる、あなたの
「笑顔」を見たくて、
     「また会いたくなる」。

  ★ Sincerity      誠意・思いやり
    お客様は今、何を望まれているかをお客様からリクエストされる前に配慮し
   て、その要望に極力沿えるように事前に気配り、対応できるのがプロです。

    自分(会社・組織・施設)の勝手な都合でサービスを提供するのではなく、
   常にお客様 の立場を意識して、お客様を思いやる気持を常に心に留めて
   「おもてなし」を心がけることがプロです。
  ★ Safety          安心・安全
     今、一番、世間の関心が集まっているのが、安心・安全です。

      お客様の人命をお預かりしていることを念頭に、お客様が安心・快適に
     ご利用頂けるよう日頃からの十二分に、コンプライアンス(法令の遵守)
     を徹底して、緊張感・意識を持って、緊急時の対処(マニュアルの作成)、
     定期的な訓練を忘れてはなりません。

      特に、火災、食中毒は、一度発生してしまえば、保険での損害賠償はで
     きても、信用はカバーできません。
  ★ Speed     速く
      お客様のご要望・オーダーされた内容・事柄を理解し、間違いが無い
     と復唱・確認して、そして迅速におもてなしを提供する。

   また、ご依頼を頂いたことへを゛きるだけ早く、回答、レスポンスすること
     も大切です。

  ★ Cleanness        清潔     
    お客様にご満足頂くための重要な要素の一つは清潔・快適さです。

    一流と言われる施設ほど、気持ちが良くなるほど調理場はもちろん、事務所、
    冷蔵庫、倉庫の中までの、バックヤードが整頓され、清潔感あふれています。

     (1) 清掃・クリーニング、破損・汚れの補修、メンテンナンス
       ※ 各施設の管理能力を判断するのに最適な場所はトイレです。

          どんなに、瀟洒、豪華な造りの建物でも、トイレを見ただけ
         で全体の経営姿勢が判断できると言っても過言ではありません。    

     (2) 身だしなみ
          お客様に好印象を持たれる、クリーニングされて、しわの無い
         制服、ストッキング、磨かれている靴、適度な化粧、整髪、ふさ
         わしい髪型(色)、適度な色のマニュキュアなどの清楚に見える
         よう心配りが重要です。

          スタッフ全員で汚れが無いか、ゴミが落ちていないかを常に意
         識し、施設内を定期的に点検するとともに、各自のみだしなみを
         にお互いに注意を払うことを心がけていけば、常に気持ちよい快
         適な職場が維持できます。

 2.宿泊業界の現状と将来の展望
      (1) 旅館業施設数
          平成27年3月末現在の旅館業の営業許可施設数は、78,898施設
       であり、前年度より621施設の減少となっている。

        うち、ホテル営業施設数は9,879施設、旅館営業施設数は4万1,899
       施設、簡易宿所数は2万6,349施設となっている。
                  (厚労省衛生行政報告例より)

    (2)宿泊施設の人数規模別・業種別客室・定員稼働率
 2016年 客室・定員稼働率

客室稼働率年計

定員稼働率年計

()

前年比

()

前年比

全体

59.7

-0.6

39.1

-0.6

従業者数別

09

30.8

-2.5

17.3

-1.4

1029

68.1

0.3

46.7

-0.7

3099

71.5

0.5

50.6

0.0

100人以上

74.7

-0.4

56.5

-1.4

宿泊施設

タイプ別

旅館

37.1

0.1

24.1

-0.3

リゾートホテル

56.9

0.9

42.2

0.1

ビジネスホテル

74.4

0.2

62.9

-1.1

シティホテル

78.7

-0.5

66.8

-1.5

簡易宿所

25.0

-2.1

14.6

-1.1

会社・団体の宿泊所

27.1

-0.6

18.1

-0.3

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    (3)宿泊産業動向  Travel Vision記事より   2016年6月15日


     ◇ ホテル市場の予測 ⇨ 上向き基調続く、
       年5%増の推移で2018年度は1.9兆円 

       経済産業省は「訪日外国人の消費促進のための観光関連サービス産業
      等の在り方に関する調査研究」で、
      2014年度のホテル市場規模は前年比5.2%増の1兆6202億円、
      2015年度には5.0%増の1兆7012億円になるとの見込みを発表
      した。

     「平成27年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備事業」
      の一環として矢野経済研究所が調査、宿泊業(ホテル市場)は活況だ。

      2015年の国内宿泊施設の延べ宿泊者数大幅に増加(観光庁調査)
       総数  5億545万人泊  (前年比  6.7%増)
       外国人 6637万人泊   (前年比 48.1%増)
      
      2014年度末 ホテル営業施設数 9879軒(前年比 +70軒)、
      ホテル客室数は83万4588室(前年比 +1万7377室)

       堅調な国内旅行需要に加え、大幅に増加したインバウンド需要が牽引
      しているとする。

      ただし、矢野経済研究所では、ホテルが増加する背景には宿泊施設市場
      の構造変化があると指摘。

      旅館については2014年度に1464軒減の4万1899軒、
      客室数も2万5252室減の71万19室(厚生労働省調査)
      と大きく落ち込んだ。

      その要因として、ホテルが他の宿泊施設のマーケットを侵食して市場
      を拡大している傾向がある。

      ◎ 民宿やペンションなどの簡易宿所営業は増加
        この要因は若者や外国人を対象としたゲストハウスや、都心部な
        どで増えているカプセルホテル、簡易宿所の業態の多様化した結
        果と見ている。

       今後については、2020年に向けて緩やかな市場拡大が見込まれる
      と予想。

       2018年度のホテル市場規模を1兆9691億円とし、
       2015年の見込みから年5%程度の増加率で推移する。

      また、簡易宿所についても引き続き拡大を見込む。
      
    
● 住宅宿泊事業法による民家の部屋、空き部屋胎教の民泊の台頭
      特に、注目されるのが、旅館業法が大幅に規制緩和され、来年6月から
      施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)による、「民泊」営業の拡大だ。

       既に、未登録・認可外の民泊営業で住民トラブルや犯罪などの不正利
      用が指摘され、政府方針としては自治体への登録と原則180日以内と
      打ち出されているが、最終認可の条件などの詳細は各自治体に委ねられ
      ており、各自治体ごとの条例制定など法整備が検討されている。

      が、民泊施設が一気に増大して、宿泊業界のマーケットを席巻するのは
      明らかだ。

     
● 農林漁家民泊との違いの認識
       併せて、全国で、今までグリーンツーリズム振興のために、農林漁業
      の家庭に限定で、旅館業法の規制緩和された農水省による「農山漁村滞
      在型余暇活動の促進に関する法律」に基づき、主に修学旅行の宿泊先と
      して受け入れてきた、地域振興に大きく貢献している、農林業家民泊と
      混同され、影響されてしまう危惧がある。


       ◇ ホテル市場規模推移 2016年(単位:億円)

2014

2015
 (見込)

2016
 (予測)

2017
 (予測)

2018
(予測)

16,200

17,010

17,861

18,754

19,691

      矢野経済研究所椎計

 参考 2015年 日本の主要ホテルグループ売上高・社員数・年収

 

売上(億円)

社員数

()

年収(万円)

1

西武HD 

1673

293

790

2

リゾートトラスト

1204

3877

582

 3

共立メンテナンス(ドーミイン等)

1102

 1236

 450

4

東京急行電鉄 

955

4263

753

5

ホテルオークラ 

712

41

634

6

京王電鉄 

663

2416

732

7

藤田観光 

642

893

584

8

ニュー・オータニ

635

1269

482

9

阪急阪神HD 

623

65

898

10

帝国ホテル

537

1820

549

11

ロイヤルホテル

446

1331

378

12

パレスホテル

271

604

462

13

日本ビューホテル

181

632

424

14

アメイズ(亀の井H、AZH)

106

73

406

15

京都ホテル

105

434

352

16

アゴーラ・グループ 

75

7

475

17

ホテル、ニューグランド

49

172

473

18

ホテルニューアカオ

40

179

346

19

鴨川グランドホテル

37

159

397

20

熊本ホテルキャッスル

35

212

369

21

丸ノ内ホテル

19

88

347

  ◆ 上記以外
企業名等 売上高
ルートイン(株) 914
アパホテル 900
東横イン 255店舗 740
オリエンタルランド(ホテル事業) 610
三井不動産 571
ダイワロイネットホテルズ 565
近鉄(ホテル事業) 548
大和リゾート 455
星野リゾート 392
三菱地所 326
スーパーホテル 249
グリーンズ(コンフォートホテル50店舗) 225
ザ・ブセナテラス 228
リッチモンドホテル 201
名鉄(ホテル事業) 161
加賀屋(和倉温泉観光ホテル旅館) 140
グランド・ハイアット・福岡 118
杉乃井ホテル オリックス系 110
相鉄HD 107
シェラトングランド・オーシャン・リゾート 104
ヒルトン福岡シーホーク 100
 
  【今後のホテル業界はこうなる】

   ◎ IT・AI・SNS時代に対応
      SNS利用の急激な進化と多様性、OTAの台頭、ITの飛躍的な変化
     の波が押し寄せている時代、宿泊業の経営・運営はどう変わるのか

     「今後は消費者が宿泊をはじめ、滞在中のレストランやアクティビティ、交
     通機関などの予約を、旅行業者などを通さず、自らSNSを駆使して手配を
     するようになるのが、全体の89割を占めるようになると予測される。 


    ホテルマンは少数精鋭になる
      その渦中で、ホテルマンはそのトレンドに合わせた、システムの見直し、
     業務内容の改革が求められます。
     
      ITが進み、特にAI(人工知能)の導入により省力化が進み、当然、人員
     削減は避けられません。

      しかしながら「AIは多くのスタッフが行なう事務処理、業改善はできても、
     臨機応変の会話もお持てなしはできなません」

      ホテルはIT・AIの導入するのと並行して、スタッフとしては少数精鋭
     の
知性や臨機応変の対応力、社会性や常識、各部門の知識を充分に備え、

     そとて、人への思い遣り、気配りができる

     高いスキルを持った人材だけが求められるようになる。 


    ホテルマンに求められるもは、やはり「思い遣り=ホスピタリティ」

    「IT・Aiを理解して、高いスキルを持ち、人への心遣い・気配りができる
     ホスピタリティを持てる人材になれることを目指しましょう。

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 『まちむら興し塾』・参加者・二次会
今回の参加者は少なかったので残念ですが、和気あいあいと懇親を深めました

後列 左から吉田さな。坂井さん、伊籐さん、前列市川さん、飯田さん、長坂
 
 市川講師からの質問を考え中
   
初めてのコメンテーター市川さん
間合いの取り方など、話し方はうまい
 
熱心に耳を傾けて、ホテルとはを学びました 
   
飯田さん  久しぶりに参加 伊籐さん 
   
 高成人式の写真撮りをしたヘアスタイルが
ばっちりり。吉田さん
 いつも、にこにこ・はきはき1年坂井さん
二次会
   
  行きつけの巣鴨駅前の中華店で
 伊籐さん、長坂、吉田さん、坂井さん
 伊籐さんと長坂
   
  二次会は始めて坂井さん、先輩吉田さん  明日出張なのに、付き合ってくれた市川さん
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 TEL 047-330-4421
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